HIV/STDの予防啓発を促進するための官民一体のプロジェクトとして、地域のゲイコミュニティのメンバー、NGO/CBO、厚生省HIV感染症の社会疫学研究班、大阪府・市のエイズ対策担当係で構成するMASH大阪(MASH:Men
And Sexual Health)が3年前にスタートしました。コミュニティに向けた講習会、STD勉強会、ベースライン調査等を実施する中で、HIV/STD検査の機会の拡大が必要であることが示され、HIV感染やSTDに目を向け、意識や行動をセクシャル・ヘルスに"SWITCH"(切り替え)しようという予防介入プログラム「SWITCH2000」を、2000年5月に実施しました。ゲイ・コミュニティにおいて、若い世代のMSM(Men
who have sex with men)を主な対象に、ゲイ・アート展(SWITCH-A)、HIV/STD(B型肝炎、梅毒)検査と予防相談(SWITCH-B)、コミュニティ対象のHIV/STD感染予防啓発に関する講習会やSTD勉強会(SWITCH-C)、そしてダンス・パーティなどのイベント(SWITCH-D)を行いました。
HIV検査は医療機関か保健所などの公的保健医療機関で実施されていますが、このSWITCH2000では、検査の場をコミュニティにおき、さらに検査を契機にしたHIV/STD感染のリスク低減を導入することに力点をおいて、検査前予防相談および結果報告時の予防介入を取りいれました。会場設定、移動医療機関の申請、予防相談・検査のシミュレーション、相談員研修、翌日検査結果報告のための検査体制、採血・告知・カウンセリングの専門医療者およびカウンセラーの確保など多くの調整が必要となり、MASH大阪スタッフ、NGO、行政、医療者、研究班の協働があって実現しました。MASH大阪では、今後の予防介入に向けて解決すべき課題等を明確にするために、SWITCH2000、特に予防相談・検査の実施内容を整理しています。
シンポジウムでは、MASH大阪が実施したコミュニティにおけるHIV/STD感染の予防相談・検査を紹介し、疫学研究者、保健医療従事者、行政、NGO/CBO、等々の多分野の参加者と意見を交換し、わが国におけるHIV/STD感染予防の進展に向けた連携を推進したいと考えています。皆さんの参加をお待ちしております。
1.参加対象/参加費:
HIV/STD感染予防に関わっている方なら誰でも / 無料
2.主 催:
MASH(Men and Sexual Health)大阪、厚生省HIV感染症の社会疫学研究班MSMグループ