|
11月30日(木)13:15〜15:05 第1会場(テルサホール) |
|
座長:岩本 愛吉(東京大学医科学研究所 先端医学研究センター)
福武 勝幸(東京医科大学 臨床病理学) |
overview
遺伝子を正確に複製し次世代に受け継ぐ、これが生物界における種の保存の原則であり、HIV-1のようなウイルスといえども同様である。しかし、HIV-1の遺伝子複製を担当する逆転写酵素は機械のような正確性を持つわけではなく、複製途中にしばしば誤りを犯し、突然変異を起こす。突然変異はHIV-1にとって都合のよいものばかりとはいえないが、突然変異によって多様なウイルスが産生される。薬剤耐性もその一例で、薬剤耐性ウイルスは突然変異によって生じ、薬剤によって選択される。
動物細胞や細菌の複製と比較すると、HIV-1は1,000倍あるいは10,000倍も突然変異の頻度が高い。生体内で激しく増殖し、突然変異を繰り返すHIV-1は、細菌よりずっと短時間に薬剤耐性を獲得しうる。細菌においては、1941年FloreyとChainがペニシリンの大量生産に成功し、抗生物質時代の幕が開けられた。約50年後の20世紀末には多剤耐性菌が大きな社会問題となっている。HIV-1においても、1996年頃より強力な抗ウイルス療法(highly
active antiretroviral therapy:HAART)が導入され多大な効果をあげている一方、耐性ウイルスの問題が急速に深刻になりつつある。
「薬剤耐性−臨床から」と題した本シンポジウムでは、(1)薬剤耐性検査の意義、(2)わが国における薬剤耐性ウイルスの現状、(3)薬剤耐性を乗り切るための臨床的対応、(4)薬剤耐性を避けるための治療計画、の4つをテーマに、現在ご活躍中の専門家に講演して頂く。このシンポジウムにより薬剤耐性の現状認識を新たにしていただけるものと確信する。 |
S4-1 |
薬剤耐性-臨床から 1)薬剤耐性検査の意義 |
|
白阪 琢磨 (国立大阪病院 臨床研究部) |
|
|
S4-2 |
薬剤耐性ウイルスの現状 |
|
杉浦 亙 (国立感染症研究所 エイズ研究センター) |
|
|
S4-3 |
薬剤耐性に対する臨床的対応 |
|
岡 慎一 (国立国際医療センター) |
|
|
S4-4 |
薬剤耐性を避けるための治療計画 |
|
山元 泰之 (東京医科大学 臨床病理学) |
|
|
|