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携帯電話の障害者割引への要望と回答
〜NTTドコモへの要望書と回答全文〜


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RETURN TO NTTドコモからの回答・PDF版(252KB)NEW12/5/2003新

NTTドコモへの要望書

2003年8月30日

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ代表取締役社長 立川敬二様

ハーティ割引(ふれあい割引)要望書ご送付と現状お伺いの件

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 私どもはHIV感染者・エイズ患者への社会的支援活動を行っている民間非営利団体です。HIV感染者・エイズ患者と共に差別と偏見の払拭を目指し1993年に設立し、社会福祉・医療事業団、朝日新聞社・朝日福祉助成金、財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団等の助成を受け活動を行っております。
 さて、御社が2003年9月1日より開始されるハーティ割引(ふれあい割引)について別紙の通り要望書をお送りいたします。ハーティ割引(ふれあい割引)については障害を持つ当事者から喜びの声が届いている一方で、安心して申し込みができるかどうか不安、という声もあがっています。私どもは障害を持つ当事者たちが安心して御社のサービスを受けられるよう願ってやみません。
 また、私どもは障害を持つ当事者がハーティ割引(ふれあい割引)を申し込むかどうかの自己決定を支援するために、障害を持つ当事者とその家族、パートナー、医療・福祉関係者等にハーティ割引(ふれあい割引)に関する情報提供を行っていきたいと考えています。現在、ドコモショップおよびドコモ取扱店窓口、また郵送での手帳の「確認」が具体的にどのような手順、方法で行われているのか、御社が確認、収集、保管、利用している情報項目が何であるのか等につきまして返信用封筒を同封させていただきますので、教えていただければ幸いです。
 なお、私どもライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)の資料も同封させていただきます。お目通しいただければ幸いです。
 お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
 季節柄、お身体ご自愛ください。

敬具

ライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)
代表 清水茂徳(社会福祉士)
〒100-8691 東京中央郵便局私書箱490号
(事務局[省略])
TEL:03-5685-9716  FAX:03-5685-9703
ホームページ: http://www.lap.jp/


株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ代表取締役社長 立川敬二様

要 望 書

件名 「ハーティ割引(ふれあい割引)利用者からの情報収集等の制限」

要望

  1. ハーティ割引(ふれあい割引)申し込み時の身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等手帳の「確認」は本人確認に最低限必要な氏名、生年月日、写真(手帳に貼付されている場合)のみをもって行うこと、またハーティ割引(ふれあい割引)利用者について身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等手帳の種別をはじめ、手帳番号、障害程度、等級、障害名、障害部位、写真、発行自治体名等の情報を収集、保管、利用することのないよう要望する
  2. 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等手帳の一部および全部の複写の禁止、また郵送による申し込みの場合は本人確認に最低限必要な項目に限定した複写物の提出を求め本人確認後は即刻破棄するよう要望する
  3. ハーティ割引(ふれあい割引)利用者についてこれまでに収集された身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等手帳の種別をはじめ、手帳番号、障害程度、等級、障害名、障害部位、写真、発行自治体名等の情報を即刻破棄するよう要望する
  4. ハーティ割引(ふれあい割引)申し込み者および利用者から今後確認、収集、保管、利用する情報についてはその具体的な項目を理由および方法とともにあげた文書を作成し、広く公開することを要望する
  5. 御社、ドコモショップおよびドコモ取扱店において上記4.の文書と異なる対応がされた等の問い合わせに対応できる苦情受付担当窓口の開示を要望する

趣旨

 私どもライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)はHIV感染者・エイズ患者への社会的支援活動を行っている民間非営利団体です。
 御社がハーティ割引(ふれあい割引)を開始されることは御社報道発表資料にある通り、障害を持つ当事者たちの行動範囲をより広げ、コミュニケーションをより豊かにしていく、たいへん有益なものだと考えます。当事者の方からは「先陣を切って割引サービスを始められるNTTドコモは素晴らしい」という声が私どもに届いています。一方、障害というもっとも慎重に扱われるべき情報がどのように扱われるかを危惧する声も届いています。
 障害者のプライバシーの保護については各方面からその重要性が指摘されております。
 「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(平成10年12月2日郵政省告示第570号)では「第2章 個人情報の取扱いに関する基本原則」において「電気通信事業者は、次の各号に掲げる個人情報を収集してはならない」とし「身体・精神障害」をあげています。
 「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」(JIS Q 15001)では「4.4.2.3 特定の機微な個人情報の収集の禁止」において「次に示す内容を含む個人情報の収集、利用又は提供は行ってはならない」とし「身体・精神障害」をあげています。
 厚生労働省は平成15年1月21日付の「全国厚生労働関係部局長会議資料」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/bukyoku/syougai/)において「HIV感染者に対する障害認定等におけるプライバシーの保護について」と項目をあげて「HIV感染者をはじめとする障害者のプライバシー保護等について十分留意されるよう」注意を呼びかけています。
 愛知県では「プライバシーの保護に配慮した」新しい障害者手帳への切り替えをはじめています(平成15年5月22日付、愛知県健康福祉部障害福祉課障害・給付グループ在宅グループ「お知らせ」 http://www.pref.aichi.jp/shogai/a-5_topics/webpress_sintecyou001.html)。この「お知らせ」で「カバーの窓から見える情報は、氏名、障害程度等サービスの提供に必要なものとし、障害部位など他人に知られたくない情報を見られずに済むようにしました」とされている通り、障害者手帳にはサービス提供に必要がなく、かつ「人に知られたくない情報」が含まれています。さらに、愛知県の新しい「精神障害者保健福祉手帳」の「カバーの窓から見える情報」は「障害者手帳」「愛知県」の2つの文字だけであり、「精神障害者保健福祉手帳」であることすら明示されていません。これは手帳の種別さえも保護されるべきプライバシーであることを示しています。なお障害等級については等級によって受けられるサービスに格差があるためであり、等級によってサービスに格差のない御社のハーティ割引(ふれあい割引)においては不要な情報と考えられます。
 障害という情報の取り扱いの如何によって、御社の「更なる社会参加の一助としてご利用いただけるよう」という趣旨が成し遂げられるかどうかが大きく変わってくるのではないでしょうか。障害を持つ当事者たちが安心して御社のサービスを受けられるよう「ハーティ割引(ふれあい割引)利用者からの情報収集等の制限」について上記5項目を要望いたします。

2003年8月30日

要望者 ライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)
代表 清水茂徳[印]
〒100-8691 東京中央郵便局私書箱490号
(事務局[省略])
TEL:03-5685-9716  FAX:03-5685-9703
ホームページ: http://www.lap.jp/


NTTドコモからの回答

平成15年9月25日

ライフ・エイズ・プロジェクト
代表 清水茂徳様

 謹啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
 平素は、NTTドコモ商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。
 また、「ハーティ割引(ふれあい割引)利用者に関する情報収集等」につきまして、貴重なご意見をいただきましたこと、あわせて、お礼申し上げます。ご質問をいただいている件につきましてご回答申し上げます。
 
1. 新規ご契約時の本人確認について

 現在、NTTドコモの携帯電話サービスの新規ご契約時には、「ハーティ割引(ふれあい割引)」のお申込みに関わらず、ご本人様である確認のため、確認書類(運転免許証、日本国パスポート等)をご提示いただいております。
 その際、後日、お申込みの事実をお客様から否認された場合等の事実確認を行うために、確認書類の種類と証明書の番号(番号のある確認書類の場合)を、記録させていただくとともに、お客様のご了承を得た上で、確認書類をコピーさせていただいております。(ご了解いただけない場合には、コピーは行わず、記録のみ実施させていただいております。)
 確認書類として、「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」のいずれかをご提示いただいた場合も、他の確認書類と同様に、手帳の種類、手帳の番号、発行元自治体名を記録させていただくとともに、お客様のご了承を得た上で、手帳をコピーさせていただいております。(ご了承いただけない場合には、コピーは行わず、記録のみ実施させていただいております。)
 なお、手帳をコピーさせていただく場合は、障害名、等級等のお申込みに必要のない項目に関しては、マスクをする等、お客様がご安心いただけるよう、ご配慮させていただいております。
 マスクの方法につきましては、手帳の様式が発行自治体により異なるため、付箋紙等を該当箇所に貼った上で、コピーを行う等、随時工夫して行っております。
 また、確認書類のコピーにつきましては、一定期間後破棄を行い、記録した情報につきましても、弊社携帯電話サービスご解約に一定期間後に、消去させていただいております。

2. 「ハーティ割引(ふれあい割引)」のお申込み確認について

 「ハーティ割引(ふれあい割引)」を、お申込みいただいた場合の確認方法につきましては、コピーは行わず、手帳の目視確認のみ行っておりますが、手帳を特定する情報として、手帳の種類、手帳番号、発行自治体名を、記録させていただいております。
 なお、記録した情報につきましては、弊社携帯電話サービスご解約の一定期間後に、消去させていただいております。
 また、郵送申込みの際、ご送付いただいた手帳のコピーにつきましては、受付処理後、破棄させていただいております。

3. 弊社のプライバシーポリシー

 弊社におけるお客様情報管理につきましては、第一種電気通信事業者として、個人情報の重要性を認識し、その保護の徹底をはかるため、電気通信事業法及び「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」、その他の法令を遵守するとともに、プライバシーポリシーとして「別紙」内容を開会し、取り組んでいるところでございます。

4. 苦情受付担当窓口について

 弊社、ドコモショップ、および弊社取扱店の取扱い等におきまして、お気づきの点がございました場合は、弊社お客様相談室(連絡先:03-5156-3030)まで、ご連絡いただければ、幸いです。
 今後も、お客様の貴重なご意見を、より良いサービスのご提供に反映していく所存でございますので、引き続き、NTTドコモをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

謹白

株式会社 NTTドコモ
お客様相談室
室長 青木一男[印]

〒100-6150
東京都千代田区永田町2-11-1
山王パークタワー32階
TEL 03-5156-3030
(午前9時〜午後5時 土・日・祝日除く)
FAX 03-5156-0208
担当:お客様相談室 花房


プライバシーポリシーについて

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下、「ドコモ」という。)は、第一種電気通信事業者として、個人情報の重要性を認識し、その保護の徹底をはかるため、電気通信事業法その他の法令を遵守するとともに、このプライバシーポリシーを公開し、これに従うことを宣言します。

【個人情報の収集】
ドコモが個人情報を収集するのは、サービスの提供、料金請求などに必要な場合に限り、収集に当たっては適法かつ公正な手段を用います。

【個人情報の利用】
ドコモが収集した個人情報の利用又は提供は、収集目的の達成に必要な範囲に限ります。ただし、法令の規定に基づくとき、情報主体の同意があるとき、ドコモからのお知らせの発送などドコモの内部で利用するとき、その他個人情報を利用又は提供することについて正当な理由があるときには、収集目的以外の目的のために利用又は提供することがあります。

【個人情報の管理方法】
ドコモは、ドコモが管理する個人情報への不正なアクセスや当該情報の紛失、破壊、改ざん、漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために、セキュリティシステムの維持、社内管理体制の整備、社員教育の徹底等の必要な措置を講じます。

【個人情報の開示及び訂正等】
ドコモは、情報主体から自己に関する個人情報の開示の請求があったときは、原則として遅滞なく開示します。
ドコモは、情報主体から自己に関する個人情報の訂正等の申出があったときは、遅滞なく調査を行い、個人情報に関して誤りがあることその他の訂正等を必要とする事由があると認めるときは、遅滞なく訂正等を行います。