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ぼちぼちインターネット[第1回]
いきなり路上教習

かわぐち 

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■「トーシロによるトーシロのためのインターネット入門」

 はじめまして。某週刊誌の秋葉原特派員(?)、川口といいます。ひょんなことから、インターネットについて何か書いてくれないかとの依頼を清水編集長よりいただきました。
 ほいほいと引き受けてはみたものの、私自身もインターネットを始めたのは昨年暮れから。パソコンだってとくにくわしいわけじゃありません(だって文系なんだもん)。
 そんなわけで、この連載は「トーシロによるトーシロのためのインターネット入門」と位置づけたいと思います。テクニカルな話はどうしても避けられないものだけにして、「インターネットで何ができるの?」という一初心者としての実体験をもっぱら語ることにしよう、と考えています。とはいえ、読者のみなさんからの疑問には極力答えていきたいな、という野望も抱いています。まあ、どうかよろしく。

■「電話帳」で世界中の情報源へジャンプ!

 では、いきなり実地からいきましょうか。
 図1は、インターネット上のワールドワイドウェブ(WWW)の画面です。WWWとはいってみれば数万のデータベースの集合体のようなもので、世界中にある大小さまざまな情報発信源(WWWサイト)がいもづる式につながっている、というぐらいに考えていてください(「いもづる式」の意味は、あとで説明します)。

 図1で表示されているのは、Yahooという有名な「WWW電話帳」(これ自身もWWWサイトの一つ)の、エイズ/HIV関連情報源リストです。情報源の名前と、その簡単な内容説明が書かれています。情報源の名前のところは、実際のパソコン画面では青い文字で表示されていてひと目でわかります。
 ふつうの電話帳だと、めざす相手の電話番号を探し出し、それをメモ用紙かなにかに書き移して、それから受話器をとってダイヤルしますよね。ところがこのWWW電話帳では、青く表示されたサイトの名前そのものがボタンになっていて、そこをマウスでクリックするといきなり目的地にジャンプしてしまいます(マウスって何?という方へ。NECのパソコンのCMで、おとーさんが右手でころころしてるちっちゃい奴です。機会があったら手近な電器屋さんでころころしてみてください)。

■セーファーセックスページをのぞいてみる

 とりあえず、Safer Sex Pageという面白そうな名前をクリックしてみます。すると、図2の画面が現れます。これはSaferSex Pageというサイトの玄関にあたる部分です。この画面を下の方にぐるぐるたぐってゆくと、目次のようなものが出てきます(図3=略)。ところどころに下線の引かれた青い文字があり、その下に何か説明のようなものが入っています。

 なになに、「セーファーセックス会議室:あなたの意見を聞かせてください! この会議室は数週間ごとにテーマを変えながら、利用者がどんどんふくらませてゆくページです」。今のお題は『いかにしてパートナーにセーファーセックスの話をもちかけるか?』。面白そうだからちょっとのぞいてみましょうか。のぞき方は例によって、「青い文字をクリック」です。

 すると、図4(略)の画面が出ます。ここにも「あなたの意見を投稿する」「来月のお題を決めるための投票」なんてボタンが見えます。この画面を下の方にたぐっていくと、みんなの意見が読めるわけです。今日はこのへんで引き返しましょう。

 図3を詳しくみると、リアルタイムでのおしゃべり(キーボード経由ですが)ができたり、セーファーセックスやコンドームに関する講座があったり、カウンセラー向きの「上級コース講座」があったりするようです。盛りだくさんで楽しそうなサイトですね。

 さて、WWWの威力はここからが本番です。図4のSaferSexという大きな文字の上には、小さなボタンがいくつも並んでいます。縮小されているので読めないかもしれませんが、一番右にLinks という青い文字があります。この文字をクリックすると、図1と同じような関連サイトのリストが現れます。

 つまり、関心のあるテーマのサイトを一つ見つければ、あとはいもづる式に同じようなテーマのサイトを渡り歩いていけるわけなのです。サイトがアメリカにあろうがオランダにあろうが、のぞきたければクリック一発。
 Yahooのような「電話帳」には強力な検索機能もありますからそぞろ歩きだけじゃなく「ここに行きたい!」というご指名ジャンプも可能です。

 HIV関連のサイトだけでも、ちょっと回りきれないほどあります。
 専門的な情報を手に入れたければ、図5のsci.med.aidsや、図6のHIVNET/GEMA Information Serverあたりがとりあえずのとっかかりでしょうか。

 sci.med.aidsはWWWサイトではなく、ニュースグループと呼ばれるインターネット上の会議室の一つですが、そんな違いなんか全然意識しなくても、WWWを見るためのソフトでガシガシ読めてしまいます。こういう「情報の継ぎ目のなさ」は、インターネット独特のものです。

■ボランティアが作ったサイトもいろいろ

 ボランティアが作ったサイトもいろいろあります。SaferSexPageもその一つだし、バディなどボランティア関係者のためのサポートを提供している団体KAIROS Support for Caregiverのサイト。また図7はどうやら、HIVに感染している子どもたちのためのサポートグループのサイトのようです(LAPのもそのうちできると思いますよ。じつはそんなに難しくないし、そんなにお金もかからないから)。

■情報についての考え方が根本的に変わる

 とまあ、こんな風にぼくはインターネットをくるくるしているわけです。仕事で「○○の情報が必要だ!」と探し回ることももちろんありますが(核査察で話題になった、IAEAの全議事録なんかがごろんとあったりして)、どちらかといえば気の向くままにぶらぶらすることが多いですねえ。

 インターネットで何ができるの? と聞かれたら、ぼくは何より「情報についての考え方が根本的に変わる」と答えます。

 自分にとって必要な情報を機械的に検索するんじゃなくて、自分の意志とカンで「面白い情報がありそうなところ」を次々と渡り歩いていく、みたいな。絶対そっちの方が面白いって。経験者が保証します(笑)。

 今回紹介したのは英語のサイトばかりでしたが、日本語のサイトもたくさんあります。残念ながらエイズ関連のWWWサイトはまだ見たことがないけど、けっこうキテルのもありますよ。


 いちおう次回は、「インターネットにどーやったら入れるの?」と、今回取り上げたWWWよりはぐっと地味だけど、「使える」点では勝るとも劣らないツール『電子メール』について話してみようと思っています。
 ただし、読者のみなさんからのご要望や著者自身の気分によっては、お題が変わる可能性もあります。ま、楽しくぼちぼちいきましょう。

[かわぐち]


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