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ぼちぼちインターネット[第2回]
必要なお道具たち

かわぐち 

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■「どういうモノをそろえればああいう遊びができるのか」

 どもども。某週刊誌秋葉原特派員の川口です。前回はインターネットの便利な使い方の一つ、WWW(ワールドワイド・ウェブ)の路上教習を行いました。
 けっこう難易度Aぐらいに見えたかもしれませんが、あの教習例はごくフツーのパソコンを使ったものです。事実LAPにあるマッキントッシュ(マック)では、すでにWWW回りができる環境が整っています。
 で、「私もちょっとやってみたい」と思った人のために、今回はまず「どういうモノをそろえればああいう遊びができるのか」を簡単に説明したいと思います。
 どうしてもテクニカルな話が中心になってしまいますが、めんどくさいところは適当に読み飛ばしてください。どちらかといえば、インターネットを使う上で大事なのは「コンピュータの知識」より「ネチズン(ネット市民としての精神)」だったりするので(この件については、いずれ触れます)。

■必要なものは4つ

 インターネットに入るときにとりあえず必要なのは、

1、パソコン
2、モデム
3、インターネット用ソフト
4、プロバイダ(接続業者)との契約

の4つです。

■パソコンについて

 基本的には、インターネットに使えるパソコンはマックかウインドウズ・マシンということになります。最近売られているマシンはおおむねこの2つのどれかなので、新しく買う場合は適当に買っていいと思います。
 ただし、後でお話する「雑誌の付録大活用」のために、できればCD-ROMドライブ内蔵のマシンがいいでしょう。私の愛機はノートパソコンですが、強引に外付けCD-ROMをつないでいます(ないと不便なんだもん)。
 インターネットのことだけを考えるなら、マシンはマックがおすすめです。ソフトの入手も安上がりだし(ほとんどがタダ)、設定も楽。インターネットではいろんなソフトを組み合わせて使いますが、製造元の違うソフト同士がちゃんと仲良く働いてくれるのも大きなポイントです。
 一方のウインドウズ・マシンでも、もちろんインターネットは楽しめます。何しろ世界で売られるパソコンの八割を占めているので、ハードの価格はマックより一般に割安。インターネット以外のソフト(ワープロやゲームなど)が充実しているのも魅力です。
 ただし、マックよりもソフトのセットアップはやや面倒です。11月ごろ出る「ウインドウズ95」では、このへんの使い勝手がかなり向上するとのこと。

■モデムについて

 フツーの電話線を通じて、遠く離れたコンピュータ同士でデータのやりとりをするための機械がモデムです。パソコン通信をしている方は、すでにお持ちだと思います。
 前回ご紹介したWWWなどでは、画像や音声が多用されます。これらはデータとしてはかなり大きなもので(ちょっとした写真一枚でこの文章全体の一〇倍ぐらい)、当然伝送には時間がかかります。
 インターネット用に使うなら、今一番速い「二八八(にーぱっぱ)モデム」は必須とさえいえます。いろんなメーカーから発売されていますが、どれも秋葉原価格でだいたい二万五〇〇〇円程度。アイワやマイクロコア、サンタックなどの製品が人気のようです。

■インターネット用ソフト

 マッキントッシュの場合、必要なソフトの大半はほぼタダで手に入ります。初心者にとっていちばん楽なのは、「インターネットマガジン」のような専門誌の付録CD-ROMから入手することでしょう。
 とりあえずインターネットにつなぐためのソフトは、MacPPPとMacTCPの2つ。これらは、最新のマッキントッシュを買えば最初から付いてきます。
 あとは、WWWを見るためのMacWebやNetscape Navigator(Netscapeは他のソフトでインターネットから持ってこなくてはなりませんでしたが、最近市販品も出ました)、電子メールをやりとりするためのEudora-Jとニュースグループを閲覧するためのNewsAgentなどを入手すればいいわけです。最新の初心者向けマシン「Performa5200」シリーズなら、これらに相当するソフトも初めから入っています。
 ウインドウズ・マシンの場合も、雑誌のおまけCD-ROMからソフトを入手することはできます。ただしウインドウズ95が出るまでは、パソコンにTCP/IPプロトコル(インターネット上のデータ伝送の標準語)をしゃべらせるための統一基準がないので、ソフトによっては仲違いを起こす可能性もあります。
 とくに初心者には、ひととおりのソフトがパックになった市販品(インターネット・オフィスやAIR・フォー・ウインドウズなど)がおすすめ。「金はないけど根性はある」という人は、Trumpet Winsock(MacPPP・MacTCPに相当。専門誌のおまけCD-ROMには必ず入っている)をベースにシステムを構築すれば安上がりです。

■プロバイダとの契約

 プロバイダとは、私たちのパソコンをインターネットにつないでくれる専門業者。もともと「学術インフラ」だったインターネットに、個人ユーザーが参加できるようになったのは彼らのおかげです。ユーザーはモデム経由で、自分のパソコンをプロバイダのコンピュータ(インターネットの出店のようなもの)につなぐわけです。
 サービスや回線のクオリティで選ぶならIIJあたりが一番ですが、個人で使うにはちょっと高い。IIJから回線を借り受け、それを「孫貸し」している業者が、一般ユーザーには手の届く範囲でしょう。
 「とりあえずインターネットを試してみたい」という向きは、アスキーやASAHIネットのインターネット接続サービスがおすすめです。アスキーの場合、入会金なし・使用料一分10円と比較的手頃な値段で、インターネットのすべてのサービスが使えます。
 初心者へのサポートも悪くなく、途中で使わなくなった場合も出費は最小限でOK。安いのに回線状況はなかなかよいと、知人のユーザーは語っています。このへんでしばらく鍛えてから、IIJなどの本格プロバイダや、上級者向きの激安ネットに乗り換えるのもひとつの手です。
 ヘビーユーザーを初めからめざすなら、どんなに使っても年間二万円のBEKKOAME がお買い得。
 筆者がお世話になってるリムネットも、月七時間半まで1,800円、あとは三分10円と激安です(ただしリムネットは、どちらかといえばやや上級者向け)。

■自分も情報の発信者

 こうしてみると、けっこう面倒臭かったりして(笑)。とりあえず最初のうちは、TCP/IP用ソフトとWWWブラウザさえあれば、いわゆる「ネットサーフィン」は可能です。
 でも正直言って、人の作ったものを見ているだけではだんだん飽きてきます。
 そうなったら、あとは自分も情報の発信者になるしかない。インターネットの醍醐味は、そこからが本番です。
 最後に、初心者に役立つ参考文献をいくつか紹介しておきましょう。

・インターネット・マガジン

 月刊の専門誌。ちょっと難しいけど中身が濃く、本当に役立つ情報が毎号ぎっしり。付録のCD-ROMもピカイチの充実ぶり。

・WIRED日本版

 月刊のコンピュータ文化誌。コンピュータを単なる機械ではなく、「人間解放のツール」と考える視点を貫く。音楽好きやアート好きにはとくにおすすめだが、アナーキーなサイバー・カウボーイの心意気が何より気持ちイイ。

・人に聞けないインターネットの使い方

 黄色い表紙でよく目立つ、アスキーの単行本。各ソフトの実際の使用手順を懇切丁寧に語る、ひたすら実用的な作り。目次も充実していて、現存するものでは最良の入門書だと思う。ウインドウズ版とマック版があり、各一〇〇〇円と値段も手頃。

 ではでは。次回は再び路上教習に戻り、今回積み残した電子メールについて書く予定です。

[かわぐち]


■筆者のインターネット使用環境

パソコン本体:

モデム:

主なソフト:

契約プロバイダ:


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