私は22歳、勤続二年目の新米看護婦。看護婦は、日勤、準夜、深夜の三交替制をとっています。夜中に働くと、ニキビはできるし、夜食を食べすぎて太るはで大変。
とりあえず、ここでは各勤務の流れを紹介します。■「日勤」
朝8時から申し送りが始まります(申し送り=今までの患者の状態を、次の勤務の看護婦に伝えるもの)。しかしまだまだ新米の私は、少し早く行ってある程度の情報を前もって頭に入れておきます。申し送りは、20人分を30分以内で行なわれます。あくびしてると、大切なところを間き逃してしまうこともあるからです。
申し送りが終わればすぐに活動開始。
まず、食事の介助と食事量のチェック。そして薬の確認。それが終われば検温&ケアに回る。熱、脈、血圧を測ります。
あとは、その人の状態に応じて必要なことを観察します。中には寝たきりの方もいます。なので、お風呂に入れたり、体を拭いたりします。
また床ずれなどの消毒や、寝たきりにならないように運動させたりします。するとあっという間にお昼になってしまいます。
ここがひとつのポイントで、これらはできるかぎり午前中に終わらせなければなりません。午後の面会時間には、面会の方とゆっくりと過ごして欲しからです。
午後は、まずカンファレンスを行ないます。あの患者にはどんな看護が必要か、どのように関わっていくかなどを話し合います。
後は、残ってしまったケアと、ひたすら記録。今日自分が見たこと、患者にしたことを記録します。
そして4時から申し送りが始まります。自分が受け持った患者の状況を申し送り、日勤が終わります。
■「準夜」
日勤の看護婦から申し送りを受け、まず検温に回ります。
日勤は患者42人に対して看護婦8人で対応します。しかし準夜では3人しかいません。検温の合間にもナースコールがなり、点滴をとったり、トイレに連れて行ったりと大忙し。
そんなことをしてる間に食事が配られ、食事介助。19時30分ごろ、やっと自分達の食事にありつけます。
20時からは洗面介助に回ります。熱いタオルをもち、顔を拭いたり、歯磨きを手伝ったりします。
そして21時に消灯。後は一時間ごとに病室を回り、オムツを換えたり、床ずれができない様に身体の向きを変えたりします。
そして0時より申し送りとなります。
■「深夜」
深夜は30分前にきて、内服薬の確認、検査の確認をします(これは勝手に早くきて働いているので、ただ働きになってしまう)。
よく夜間のナースコールをとり、患者の所にいくと、「寝てるとこ済まないねえ」といわれます。2年目の私が、いくら暇でも寝るわけにはいきません。ベテランの看護婦でさえ寝ないのですから。
一時間ごとの巡視、昼間の記録のチェック。昼夜逆転してしまったお年寄りの相手。
私が今までに一番印象に残っているのはWさん。真夜中にカバンをもって廊下を歩いているので声をかけると「今日の仕事はもう終わったので帰ります。出口はどこですか?」と言うのです。
「確か点滴してたのに…」と思いカバンの中を覗くと、まだ残っている点滴がしまってあるのです。よっぽど家に帰りたかったんでしょう。その気持ちがボケていた為、素直に行動に出てしまったのでしよう。
夜は淋しさをよびます。まして病人にとっての夜はとてつもなく長いものです。何が起こるかわかりません。
6時起床。検温、洗面介助、採血をしに回ります。
年寄りの血管は逃げやすく、またふくよかな人の血管はわかりづらいことがあります。まだまだ未熟な私には大敵です。
何とか無事に終えたら、8時からの申し送りまでに必死で記録します。 深夜はかなり疲れます。ニキビはできるし、目の下にはくまができるし…。自衣の天使とは程遠い姿になってしまいます。ただ、深夜が終わると何故か、快便なのが唯一の利点。
以上が大まかな看護婦の一日です。
細かいことを書いたらきりがないし、色々と愚痴が出てきそうなのでこの辺にしておきます。[Y]
[関連文献]エイズについて、看護管理者に伝えたいこと4/20/96
−エイズ患者の受け入れ体制と職員の教育について−
高田 昇・広島大学原医研内科医長
- 主にエイズ患者の受け入れ体制と、職員の安全管理などを中心に、看護管理者に対して伝えたいことをQ&A形式で取材
- 出典:日総研の雑誌 看護部門 6(3):3-26,1993 からテキスト部分を転載
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/FAIDS/FAIDS_L06(013).html