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「楽しい入院生活」のための第一歩
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赤目鯛子
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病院てどんなところ? 入院てなんでするの? 誰がいて、どんなことをしてくれるのかな? 自分はどうすればいいの?
病院に行こうと思っているあなた、入院を控えたあなた。不安ですよね。体への不安もあるのに、ましてやこれからしばらく生活の場となる病院については、な〜ンにも見えないんだから。
そこで、そんな不安をほんのちょっと軽くする「楽しい入院生活のための第1歩」をご紹介します。
さらにもっとよく知りたいあなたには「看護婦って知ってます?」「入院患者Aさんの一日」「看護婦Bさんの一日」も必読ですよ。
■入院てなんでするの?
最初にまず確認しておきましょう。入院ってなんでするのでしょうか。
それは「集中的に診るため」です。その度合はその人の状態によって変わってきます。全身管理を必要とする場合、定期的な点滴をするだけだが自宅が遠くて通い切れない場合等々あります。また、糖尿病の食事療法やインスリン自己注射導入時、感染初期の生活指導等の教育入院と呼ばれるものもあります。
入院日数は、入院が決まった時点でドクターから大体の日数を告げられますが、これはあくまでも大体、です。退院後のスケジュールは余裕をもって組んでおいたほうがいいでしょう。しかし、人によっては予定を決めておくことで、励みになるという人もいます。
■入院に必要なものって?
旅行に行くときとほぼ同じと考えていいと思います。ただ、旅行と違うのは、お気に入りの洋服を持っていくのではなく、パジャマを持っていくということ。そのほか、「とある患者さん」も書いているように(「入院患者Aさんの一日」)、病院にはアミューズメント施設というものがないので、小型のテレビやラジオは便利です。最近ではノートパソコンを持ち込む人もいます。
何か「お気に入り」を持っていくのもいいと思います。お気に入りの本だったり、テープだったり、お気に入りの御飯の友、という人も?! またコップ、おはし、時計も必要かな。テイッシュペーパーや洗剤は、病院の売店で手にはいります。
■入院の日には、
当日は、時間が指定されていればその時間に必ず間に合うように行きましょう。検査や治療が予定されている場合もあるからです。
まず、受け付けへ行って、入院手続きをします(このとき印鑑が必要)。それが済んだら病棟へ。看護婦さんが笑顔で迎えてくれるでしょう?自室に通されたら、荷物を整理して早速パジャマへ。このあと、看護婦さんから別室で、今の病気になった経過や既往歴、生活習慣等についていろいろ聞かれます。そして、病棟の案内、スケジュールの説明。このとき、身長体重、熱、脈拍、血圧等もチェックされます。病院によって多少の違いはありますが、こんな流れをふんで入院第1日目が始まります。
■さて、入院中って何をするの?
入院中の1日の流れは「とある患者さん」の書かれているとうりです。もし、検査や治療が予定されている場合、その検査や治療の内容、留意点も併せてドクター、または看護婦が教えてくれます。わからないこと、不安なことがあったら、どんどん質問しましょう。
食事や薬は看護婦が持ってきてくれます。病院によっては、食事は栄養士が患者さんのベッドサイドまで運び、食事に対する要望や質問を聞いてくれるところもあります。薬は、1日分をまとめて持ってくるところ、そのつど(朝、昼、晩、寝る前)持ってくるところ、いろいろあります。自分の飲んでいる薬は、名前、外観、1回量、主作用、副作用についてチェックしておいたほうがいいと思います。これも、病院によっては、薬剤部から指導にきたり、一覧表にしてくれたりするところもあります。
■入院中ってお風呂にはいれるの?
はいれます。もし、体がそれを許さないようならば、看護婦に熱いタオルで体を拭いてもらうこともできます。そして、足や手をお湯に浸して洗ってもらえば、もう気分はゴクラク、ゴクラク、でしょう。髪の毛も洗ってもらえます。これも非常にキモチイイ。1度やってもらう価値あり、です(でも、なるべく自分でできることは自分で、ね)。
■洗濯は看護婦さんがやってくれるの?
いいえ。特別な事情がない限り、ご本人や家族の方等にやってもらっているところがほとんどでしょう。
最近では、洗濯代込みの料金でパジャマを貸し出す病院もあります。
■ところで、看護婦さんって他にはどんな仕事をしているの?
医療現場では、医者が医学を受け持つように、看護婦も看護を受け持つ責任者です。
ところで、看護って何なんでしょう? と、いきなり直球ですが、敢えて大まかに言うならば、「様々な側面からのアプローチを通じて、健康な人をより健康に、病んだ人を速やかに回復に向かわせ、自立できるように援助する過程」と言えます。では、これを実現させるためにはどんな過程を踏むのか?
病院で見かける看護婦さんは、いろんな仕事をしています。でも、あれはただランダムに仕事をしている訳ではなく、実は、看護計画というものに基づいて行われているのです。患者さんに関する全ての情報と、それが差し示す今後の中から問題点となるであろう、またなっていることを査定し、速やかにそれらを解決させることができるよう、個々の患者さんに対して立てられた計画。これらによって仕事をしている訳なのです。
看護婦も人間ですから、患者さんの一言にムッとしたり、こんなに仕事がきつくちゃあやってらんないわよ〜、なんて思うこともあります。でも、何かの瞬間に、お互いの心がふれあうような体験をしてしまうと、「やっぱ、やめられまへんで〜」という感じになってしまう。そして、ぶつくさ言いながらも、看護計画とあーでもない、こーでもないと格闘し、おしりを拭き、患者さんの愚痴話しに耳を傾け、車椅子をおしまくり、ナースコールが鳴ればハイ、ハ〜イと飛んで行ってしまう。結局、患者さんの笑顔が見たいのよね。
■最後にお見舞いについて
面会時間は病院によって違います。あらかじめ、確かめておいてからの訪問をおすすめします。また、できれば、ご本人にも伺う旨、尋ねておいたほうがいいと思います。
さて、お見舞につきものの「花」ですが、これが以外と厄介。体の状態などによっては禁止されている場合もありますし、もらった本人が自分であれやこれやできるならいいけど、動けなかったりしたら、お水を変えてくれる人もなく、あとはただ枯れていくばかり。最近、ヒットだったなと思うお見舞は、サックス吹きの友人に贈った、楽器の本。それも、着せ変え人形のように、じょきじょき切っていくといろんな紙製の楽器ができあがるというもの。彼は結核で個室に入院していたので、できあがった楽器を、誰にも気がねなく吹いて遊べたとのこと。暇つぶしに喜ばれました。と、こんなお見舞もありますが、ポイントとしては、ナマものでないもの。これにつきます(本人の希望があれば別ですが。病院食に飽きて、ホカ弁をたのむ人もいたりします)。でも、1番のお見舞はほんのひとときでもいい、一緒に過ごすということかもしれません。
さて、少しは不安を軽くするお手伝いはできましたでしょうか? んー、まだまだ、ぜ〜んぜん? だろうなあ。そんな方、どうぞ、気のあう看護婦をつかまえて、思いっきり心のうち、ぶつけてみてください。看護婦もそんなあなたを待っているんですよ。
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