山之内製薬と相模ゴムから、今までのラテックス製のコンドームとは素材が違う、ポリウレタン製のコンドームが2月に発売された。いったい、ポリウレタン製のコンドームとは、どんなものなのか? 山之内製薬にインタビューをしてきました。
実際に試して自分により合ったものを見つけて欲しい。※山之内製薬と相模ゴムのポリウレタン製コンドームは一時、販売が中止されていましたが、販売が再開されました。
- ウレタンという素材を選んだ理由は?
ウレタンという素材は人工血管や人工の心臓弁など、医療関係ですでに使われています。冷えると固くなり、温めると柔らかくなるという、ゴムとは違った特質があるという所にメーカー(相模ゴム)が着目しました。開発から完成までどれくらいかかりましたか?
東京オリンピックの頃からだと聞いています。発売して間もないですが反響は?
悪くないんじゃないかという動きをしています。住宅街と繁華街では差がありますが…。繁華街の方が売れています。油性のオイルでも破損が少ないということですが。
性質的にはウレタンというのは耐えうる。ゴムの場合は、油分を吸収するので破損しやすいのですが、ウレタンは吸収がないと言われています。使用上のご注意で、コンドームに塗ってある以外のオイルなどを使わない様にと書いてありますが、素材的には油性のオイルでも大丈夫ということなのですね?
素材的には耐えうるのですが、使用上の注意にも書いてある通り、本来の目的以外の使用はしないで下さいということです。安全上の事で、そう書いてある訳です。
この製品にはシリコンオイルを使っているのですが、それ以外の物は使わないで欲しいと。これは、メーカー側の常識だと思うんですよね。何でも、大丈夫という訳ではないということです。ゴムよりもウレタンの方が締め付けが弱いから、あまりオイルを付けすぎると抜けやすくなるのではと思ったのですが。
そういうことはないと思います。伸縮性からいってもゴムの場合約8倍、ウレタンの場合約6倍伸びます。今のところワンサイズですが、それほど問題になる事ではないでしょう。今後、大きめとか小さめとかのサイズを出すことは?
技術的にはできないことではありません。ただモニターの結果などから見て、それほど大きなファクターではないと思っています。従来のコンドームに比べて熱伝導率がアップしたということですが。
7倍といわれています。使用感が無いというのは、そういう所から来ているのではないかと思っています。ただ、使用感というのは、感性のものなので、実際に使ってみて、判断して欲しいですね。従来のコンドームのパッケージから新しいものに変えられたのは、従来のものではマズイからですか?
安全性の点からです。エイズの問題が出て来てから、薄さを追求するより、ある程度の厚さでという傾向ですし。商品を安全かつ安定した包装にするにはこの形がいいとメーカー側が認めた訳です。フィルム製の包装で、ペチャと重ねるのと、今回のような包装とではあきらかに差が出てくるのです。取りやすく、安全かつ安定した状態を保っておく、という前提に立って作ったのです。もう一つは、今までの『コンドーム』というイメージを感じさせないという配慮も成されています。私たちがいくら「コンドームを使って下さい」といっても、「ゴム嫌いだから」という反応があったのですが、この製品によって選択の幅が広がりましたね。
今までは、薄さ、色、形で差別化をしてましたが、ここで初めて素材という選択ができるようになりました。ゴムが嫌いな大きな理由に「臭い」があると思うのですが、ポリウレタンにはゴム臭さはありません。■ウレタンコンドームの特徴
- ゴム臭なし…ウレタンにはゴムのような特有の臭いがない。香料なども使用していない。
- 丈夫で薄い…破裂圧や引っ張り強度がラテックス製のコンドームの3倍、薄さ30ミクロン。
- 表面がなめらかで熱伝導性が高い…ラテックスに比べウレタンは表面がつるつる。また7倍も早く体温を伝えるためよりフィットした感覚が得られる。
- 取り出しやすく品質を守る新包装…一つひとつがブリスターパック(使い捨てコンタクトレンズなどで使われているような専用ケース)に封入されている。
- ゴムアレルギーの人にも安心…ウレタンだからゴムアレルギーの人も使える。