毎年、東京都衛生局が開催してるエイズボランティア講習会が今年(98年)も3月12日から14日まで行われました。申し込みはHIV関連団体ごとに行われ、LAPからも10名ほどが参加しました。
初日にはまず東京都エイズ対策室の城所氏が行政が行っているエイズ関連事業をはじめ、ボランティア団体との協働の推進と仕組みの確立について述べられました。
休憩をはさみ、都立駒込病院の今村氏が「エイズ治療の現状」と題し、ウイルス量検査の仕組みとその問題点、セットポイントと病気の進行について、抗HIV薬の耐性検査はまだ一部でのみ研究的に行われていること、また抗HIV治療の開始と変更の時期についてなど事例を含めて解説されました。印象に残ったのは長期にわたり服薬を継続していくことの困難さを乗り越えていくために「コンプライアンス」から「アドヒアランス」への転換が必要であると言われていたことです。それは医療者側が指示を出し、患者がそれに従うという「服薬管理」の姿勢から、患者が主体的に治療方針を選択していき、その維持・向上を支えていくという「服薬援助」への転換、といえるかも知れません。
二日目は石原氏のコーディネーターナースの活動や医療センターで行っているケア等の解説にはじまり、食事の講習では症状や服薬スケジュールに合わせた食べ方の工夫などより実際的な内容でした。
最終日のカウンセリング講座・実習も含め、全ての講習がボランティア一人ひとりに必要とされているテーマで構成されているとても有意義な内容でした。
エイズ・ボランティア講習会プログラム
98年3月12日(木)午後6時15分〜8時45分
98年3月13日(金)午後6時15分〜8時45分
98年3月14日(土)午前10時00分〜午後5時00分
東京都衛生局医療福祉部エイズ対策室「AIDSニュースレター」
http://www.tokyo-eiken.go.jp/AIDS/news.html