昨年5月に鬼塚直樹氏より、「面白いことをやろう。」と誘われ、PCMが何であるのかも良く分からないままに、二つ返事で了解しました。
その後、東京で検討会を開き、スタッフで集まったときですら、自分がそこでどんな役割を担うことになっているのかも分かっていませんでした。
話をよくよく聞くと、「ケースマネジメント」という手法がどういったものであるのかを専門家として伝えることがわたしの役割でした。わたしは、急性期病院で医療ソーシャルワーカーとして働いており、「ケースマネジメント」は仕事をする上でとても大切な手法の一つです。専門家と言えなくもないのですが、自分でするのと、人に伝えるのはずいぶん違うというところで、どうしたもんかと、研修のテキストを作りながら頭を抱えてしまいました。
結局、研修の内容としては、「ケースマネジメント」の手法全てではなく、現在、日本でNGOがPCMを行うと仮定をしたとき、手法としてとりうる部分を抽出することとなりました。
そんな準備期間を経て、研修を迎えたのですが、参加された皆さんにお会いして、用意した内容では物足りないと思われるのではないかと心配になってしまいました。おそらく予感的中だったのではないかと思いますが。
宿泊研修であったことで、個別に話をする機会に恵まれ、たくさんの出会いと刺激を得ることができた研修でした。
やっていくうちに、PCMに可能性を感じ、なんとかPCMを提供するグループを組織できないだろうかという思いが、わたしの中にどんどん大きくなっていきました。それは今でもわたしの中で息づいていますし、機会があれば実現出来ればと考えています。
押しつけられるのではなく自分に合った方法でSafer Sexできるようになるため、自分に合わせた時間軸で計画を立てられるというPCMは「こうあるべき」というやり方にも思えた予防介入とはずいぶん印象の違うものでした。
今回はあらためて「ケースマネジメント」の手法について振り返るいい機会となりましたし、なによりもたくさんの人との出会いがあり、プロジェクトに参加させて頂いて、ほんとうにありがとうございました。
いつもこうだと鬼塚氏の話にホイホイのってみるのもいいかなぁと思いました。(笑)
[岡本学]
HIV感染予防介入策としてのプリベンション・ケースマネジメント[鬼塚直樹]
ずいぶん印象の違う「予防介入」[岡本 学]
面接における「枠」とは[宮島謙介]
PCMの向こう側に[岡部翔太]
あなたもモニター、私もモニター[今井敏幸]