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HIV感染者の障害者認定が平成十年度から実施の見込み

よしおか 

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 HIV感染者の障害者認定が平成10年度から実施される見込みです。細かい部分などまだ未確定のところもありますが、障害者認定によって受けられるメリットと認定基準についてご紹介します。

 ■障害者認定のメリット

 一番のメリットとしてあげられるのは医療費の助成です(保険の自己負担分を全額助成。ただし東京都には全額ではなく一部の助成にしようという動きがあり注意が必要です)。対象となるのは一級か二級の手帳を持っている人です。東京都の場合、障害の種類によっては三級も含まれますが、HIVの場合は一級、二級のみになりそうです(※東京都では結局、三級も含まれました)。所得制限(東京都の場合五六七万六千円)のある地域が半数ぐらいあります。申請から手帳の交付までおおむね一〜二ヶ月かかりますが、市区町村によっては申請日にさかのぼって助成してくれます。
 その他、税金の控除、利子所得の非課税(マル優)、都営・市営交通等の無料パス、JR旅客運賃の割引(百キロ以上のとき普通乗車券の半額割引)、手当(東京都では一級、二級で月に一万五千五百円)などがあります。ただ受けられるサービスは障害内容(HIV感染者は「内部障害」の中に「免疫機能障害」といった名称で分類される見通し)、等級、居住地、所得などによって異なるため、まだ未確定な部分もあります。

 ■認定基準と申請

 身体障害者福祉審議会が昨年12月16日に厚生大臣に答申した認定基準は別表の通りです。
 障害者認定は全て「申請主義」のため申請をしなければ認定されません(ちなみに申請は本人が行かなくてもできます)。症状が重くなったときも申請し直さなければ等級は変わりません(逆に症状が軽くなったときも同様です)。前述の医療費助成等のサービスも黙っていては受けられません。手帳を見せて初めて様々なサービスを受けることができるのです。逆に言えば手帳を見せなければこれまでと変わらない生活がおくれるということでもあります。税金の控除を受けるには会社に障害者手帳を持っていることを伝えなければならないこともありますが、それをするかどうかは自分で決めることができます。サービスを受けるメリットとデメリットは人それぞれですから、状況に応じて判断して下さい。
 申請を考えているなら次の診察日には主治医に吐き気、下痢、倦怠感、体重減少などがひどかった時の症状をこと細かに説明し、カルテに記入してもらいましょう。診断書はカルテをもとに書かれるので、これが何級に認定されるかに関わってきます。


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