98年5月3日〜5日まで、ゲイ雑誌ジーメン(20号参照)の主催で行われた「ジーメン祭」(後援:財団法人エイズ予防財団)。最終日の5日には「日本のゲイコミュニティとエイズ〜いま、僕たちにできること〜」と題されたシンポジウムが立ち見まで出る盛況の中、開かれました。
今回のシンポジストの顔ぶれは、鬼塚直樹氏(エイズ予防研究センター。サンフランシスコ在住エイズケースマネージャー)、市川誠一氏(神奈川衛生短期大学助教授)、河口和也氏(動くゲイとレズビアンの会)、清水雅生氏(AIDSケア・プロジェクト・グループ)、砂川秀樹(ぷれいす東京)、大石敏寛氏(セカンドカミングアウト)といった多彩な面々。研究者とNGOの協力関係の樹立が大きなテーマの一つでもありました。
総合司会の清水(LAP代表)の進行で始まったシンポジウム。ジーメン編集長の長谷川龍男氏の挨拶の後、まずは鬼塚直樹氏の講演「サンフランシスコのゲイコミュニティの発達とエイズアクティビズム」。サンフランシスコでの経験から「ゲイ・リブ活動とAIDS予防活動は分けた方が良い」など示唆に富むお話でした。
続いて、市川誠一氏から平成8年度HIV疫学研究班で行われた「関東地区における男性・同性間性的接触者(MSM)集団におけるコンドーム使用及びHIV感染に関する疫学調査」(18号参照)についての再報告があり、各団体からコメントがありました。
休憩をはさんだ後、「HIV感染予防とHIV感染者・患者への支援活動の今後」について会場の参加者も含めて話し合われました。HIV感染拡大を防ぐために何ができるのか、ゲイコミュニティはHIV感染者・患者を受け入れているか、現況を見すえながら「これから」について考えていくというセッションでした。
このシンポジウムの会場に集まった人の多くはジーメンという雑誌の読者の人たちでした。HIV関連のイベントは初めてという人も多くみられ、支援の輪の広がりが感じられました。