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全国から35団体が参加
2000年度ボランティア指導者研修会報告

新ヶ江 明遠 

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 2001年3月24日〜25日、1泊2日の日程で「厚生労働省委託エイズ予防財団主催 '00年度ボランティア指導者研修会」が東京で開催されました。NGO/NPOの協働と活動の可能性を目指して、全国35団体の人たちが会場に集まりました。

 今年度は同研修会実行委員会が実施するという形を取り、研修会開催・運営のスキルをより多くの団体と共有するため、従来の参加者枠とは別にスタッフ・トレーニー(スタッフ研修参加者)枠が新たに設けられました。LAPからは代表の清水が実行委員として参加させていただきました。

ライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)NEWSLETTER会場写真
会場となった「ホテルB&G」(東京都江東区)

■2000年度ボランティア指導者研修会ホームページはこちら
■1999年度ボランティア指導者研修会報告はこちら

 ■第一日目

 今回、僕は初参加だった。都営大江戸線を乗り継いで、清澄白河駅で下車。深川丼のお店を横目に、目的地のホテルB&Gに予定時間よりも早めに着いてしまった。「指導者研修会」って、ちょっと僕が行くには場違いなのではないかと思って、前日からかなり緊張していた。春の訪れを感じる、ちょっと暑いくらいの一日目だった。

オリエンテーション
2000年度ボランティア指導者研修会ホームページ 午前中の公開講座「HIV感染症の知識」の後、午後1時からオリエンテーションが始まった。
 それぞれが自己紹介をする。若い学生の人から、長年この業界で活動されている方まで、いろんな方が参加されていた。自分の同年代の人も結構いっぱいて、ちょっと安心。

組織のマネジメントについて
 午後2時から午後6時まで、みっちりと講義。「組織マネジメント」についての講座&ワークショップだ。環境問題のNGOで活動されている川北秀人さんの話は、予備校時代の講義を思わせるエネルギッシュなものだった。どのように自分たちの活動を運営していくのか、どのような目標を立てそれをどのように実行に移していくのか、予算をどのようにもらってどのようにつかっていくのか、などなど、まさに経営のいろはを学べた。とても興味深い講義だったが、前の晩レポートに追われてあまり眠れなかった僕には、かなり過酷だった(笑)。

懇親会
 この「指導者研修会」の目玉は、午後7時からの懇親会。最初はレストランでの食事だったが、そのあと場所を会議室、しまいには個室へと移し、自分たちの活動のことから、私生活にいたるまで(笑)、いろんな話を夜遅くまで行った。
 僕にとってはこの懇親会がまさに貴重な時間で、学校の先生、保健婦さん、大学関係者、そして感染者の方々と、交友を深めることができた。
 今回知り合った方々とは、その後いろんなところで顔を合わし、いろんな協力関係が築けていると思う。

 ■第二日目

●予防啓発活動の展望(前)
 二日目、前日の酒を引きずりながら、講義の直前に朝食を流し込み、午前9時から始まるワークショップへ。
 午前9時から午前10時までのワークショップでは、自分たちがどのような予防啓発活動を行っているのかを単語帳の小さな紙に書いて提出した。これは午後のセッションで使うものの下準備となる。

●当事者参加型リサーチの実際
 午前10時から正午までは、はばたき福祉事業団の瀬戸信一郎さんによる講義。HIV感染者の当事者と研究者が、どのように共同研究を行ってきたのかということを、丁寧に説明された。(山崎喜比古・瀬戸信一郎編『HIV感染被害者の生存・生活・人生―当事者参加型リサーチから―』有信堂、2000)

●昼食
 お昼は、前日の懇親会ですっかり仲良くなったみんなと、ゆっくり話をしながら。午後、眠くならないようにコーヒーを何杯も飲んだ。

●予防啓発活動の展望(後)
 午後1時から午後3時までは、HIV/STD予防啓発活動の展開について、MASH東京のスタッフによる「NGO・行政・コミュニティの協働」のあり方についての説明があり、その後午前中に書いた用紙をもとに、具体的にどのように他のNGOと協働で活動できるのかを模索していった。
 それぞれのNGOによって共通点と差異がはっきり分かり、どのような部分で協力ができるのかをみんなで考えていった。

●まとめ
 午後3時から午後4時まで、今回の研修の反省会。非常に有意義であったという意見が大半であった。密度のかなり濃い、充実したものであったと思う。
 他のNGOとも連絡が容易に取れるよう、現在ではメーリングリストを使って情報交換を行っている。(詳細はこちら http://www.egroups.co.jp/group/aids-ngo/
 これからの課題は、他のNGOとどれだけ協力関係を築き、活動を行っていくことが可能かを模索することであると思った。


 帰り際には小雨が降り始めていて、日が暮れようとしていた。スケジュールがびっしり詰まったハードなスケジュールだったが、この研修会で受けた刺激は強烈だった。明日からの活動に直接つながるような、エネルギーをいっぱいもらった。帰りの電車の中では熟睡できた。

[新ヶ江 明遠]

2000年度ボランティア指導者研修会タイムテーブル

第1日目 3月24日(土)
10:30〜12:00   公開講座:2001年のNGO/NPO活動に必要なHIV感染症の知識(講師:都立駒込病院 今村顕史氏)※自由参加
13:00〜13:45   オリエンテーション
14:00〜15:30   講座1:組織のマネジメント(講師:人と組織と地球のための国際研究所(IIHOE) 川北秀人氏)
15:45〜18:00   ワークショップ1:NGO/NPO活動のマネジメント(ファシリテーター:川北秀人氏)
19:00〜   懇親会

第2日目 3月25日(日)
09:00〜09:50   ワークショップ2(前半):NGO/NPOのHIV/STD予防啓発活動の展望(ファシリテーター:井上洋士氏)
10:00〜12:00   講座2:当事者参加型リサーチの実際〜NGO/NPOと調査研究との関わり合いを探る〜(講師:はばたき福祉事業団 瀬戸信一郎氏)
12:00〜13:00   昼食
13:00〜15:00   ワークショップ2(後半):NGO/NPOのHIV/STD予防啓発活動の展望(ファシリテーター:井上洋士氏 リソースパーソン:佐藤未光氏)
15:15〜16:00   まとめ、閉会

※スタッフトレーニーの方は23日から研修会の準備等を行いました。


 ■参加団体一覧
  1. HSA北海道セクシャルマイノリティ協会・札幌ミーティング<北海道>
  2. はばたき福祉事業団北海道支部<北海道>
  3. レッドリボンさっぽろ<北海道>
  4. 東北HIVコミュニケーションズ(THC)<宮城県>
  5. エイズネットワーク埼玉<埼玉県>
  6. 川口子どもネットワーク<埼玉県>
  7. 埼玉県エイズ情報センター<埼玉県>
  8. AMDA国際医療情報センター<東京都>
  9. エイズ健康教育研究会(仮称)<東京都>
  10. Campus AIDS Interface(CAI)<東京都>
  11. 特定非営利活動法人 ぷれいす東京<東京都>
  12. HAW(HIV and Women)<東京都>
  13. フレディー・マーキュリー協会(FREDDIE MERCURY ASSOCIATION JAPAN)<東京都>
  14. MASH(Men and Sexual Health)東京<東京都>
  15. エイズネットワーク横浜<神奈川県>
  16. HIV/AIDS看護研究会<神奈川県>
  17. H.I.Voice Act<神奈川県>
  18. 女性の家サーラー<神奈川県>
  19. エイズ・サポート新潟<新潟県>
  20. Japan AIDS Prevention Awareness Network(JAPANetwork)<愛知県>
  21. WOMEN'S DIARY PROJECT<京都府>
  22. えいじあん<京都府>
  23. AIDS Poster Project<京都府>
  24. 京都YWCA若者・女性とHIV/AIDSプロジェクト(PAN)<京都府>
  25. SWASH(スウォッシュ)Sex Work And Sexual Health<京都府>
  26. モラルドーナツ<京都府>
  27. メモリアル・キルト・ジャパン<京都府>
  28. 特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター岡山支部<岡山県>
  29. 広島のPWAと共に生きる会「りょうちゃんず」<広島県>
  30. 山口AIDSボランティア(YAV)<山口県>
  31. 四国エイズプロジェクト(SAP)<愛媛県>
  32. 人権と共生を考えるエイズ・ワーカーズ福岡<福岡県>
  33. エイズネットワークみやざき<宮崎県>
  34. HIVかごしま情報局<鹿児島県>
  35. HIVネットワーク沖縄<沖縄県>

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